乾杯

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考え事をするのに入浴は最適だが、 何も考えたくない時の入浴は最悪だ。 長湯をしないように湯舟の温度を上げ、 熱いお湯で手早く温まると私は早々に入浴を切り上げた。 一晩手入れを怠った肌は冬場の乾燥も相まって悲鳴をあげていた。 肌に化粧水をたっぷりとしみ込ませると、 不思議なことになんだかホッとした。 メイクはせずに適当な朝食で空腹を満たし、 ほうじ茶を飲みながら、置きっぱなしのバッグからスマホを探った。 なんとなく避けていたけれど、 今日は実家に行く予定なので母からの連絡がいつ来るかわからない。 母は連絡がつかないことを妙に嫌うのだ。 後から小言を言われるのは嫌だった。 メールが一件。 メッセージが一件。 着信はなし。 最初に開くメールのフォルダ。 予想通りの純也さんからのものだった。
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