再会 #3

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純也さんはコーヒーカップの取っ手を掴みながら、 それを口に運ぼうとはしなかった。 「鈴ちゃん、本当にきれいになっててびっくりしたよ」 ドキリとする言葉にも私は軽快な返事を意識する。 「女には化粧っていう武器がありますからね。みんな騙されちゃってる」 しかし、私のそんな演技も空振りに終わる。 純也さんは私の言葉を聞かなかったかのように話しを続けた。 「それだけキレイだと、やっぱり相手いるよね?」 隣にいるのが純也さんだとは信じられなかった。 あの頃の純也さんは口数が少なかったし、 こんなことを話すイメージさえなかった。 私を引き止める時のあの強引さも、 かつての彼には微塵もなかった。 私が変わったというのなら、 純也さんもまた、変わったのだ。 私は純也さんの言葉にすぐに返事が出来なかった。 私の無言の返答を純也さんは肯定ととったのか、否定ととったのかわからない。 もしかしたら、純也さんにとってはどちらでもよかったのかもしれない。 「バカだって思われるだろうけど、あれから俺、ずっと後悔してた。卒業間際、鈴ちゃんに呼び出された時は本当はすごくうれしかったんだ。……あの時、俺、本当は……鈴ちゃんが好きだったんだよ」
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