夢か現実か、それとも過去か

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私は駅には向かわず、アパートの部屋にいた。 ……結論が出せなかった。 過去の自分と同じように、 健吾くんを想いながら、 純也さんに会いに行くことができなかった。 私の中の思春期乙女が悪あがきをし続け、 諦めが悪くて、小さな望みを捨てきれないでいた。 しかし、一方であの時から抱き続ける後悔も無視できなかった。 あの日、 あの時、 もしも、駅に行っていたら…… 今とは何かが違っていたかもしれない。 何度もそう思ってきた。 私は今日また、同じ選択肢を迫られている。 行けば……何かが変わるかもしれない。 だって、 駅で私を待ってくれているのは、 かつて私が大好きだった人なのだから。 健吾くん……。 これがあなたが望んだ結末なんでしょう? ふと、笑いが込み上げた。 こんな時でも、 私が問いかけるのは やっぱり健吾くんなんだと思うと、なんだか笑えた。
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