夢か現実か、それとも過去か

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私は哲くんの言葉を思い出していた。 『男にはいろいろあるんだよ』 好きな人でもない人と付き合うなんて理解出来ないと、 哲くんや純也さんを半分軽蔑さえしていたのに、 今なら少し……わかるかもしれない。 天秤にかけたその一方が傾き始めた時、 私もその意味を理解する。 私は何を天秤にかけたんだろう。 周りのみんなが手に入れている…… ……当たり前の……普通の恋愛。 『女にもいろいろあるのよ』 今なら哲くんにそう言えるかもしれない。 純也さんは過去にあれほどまでに好きになった人だ。 その人が、今、私をこんなにも好きだと言ってくれてる。 きっと、また…… 好きになれる。 私は純也さんの首に腕を回した。
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