夢か現実か、それとも過去か

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決意を固めたはずなのに涙が流れる。 純也さんに隠そうと思うのに、 目尻から伝う涙は重なり合う純也さんにまでまとわりつく。 ずるいとわかっていながら 純也さんに願うのは…… 叶わないなら どうか忘れさせて。 降り積もる粉雪に願うのは…… 私を覆い尽くして。 私を隠して。 誰にも見えないように。 その静寂で 私の声も吐息も何もかも 私の全てを覆い隠して欲しい。 そして、 神様には…… もう何も 願わないよ。
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