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健吾くんの気持ちを確かめるように、
私は彼の書き込みを二度、三度と読み返した。
そのうちに現実を受け止めかけると、
画面を閉じて、スマホを伏せた。
夕飯も食べずに午後8時を回っていた。
お昼から8時間。
私は立ち上がって部屋のカーテンに手をかけた。
カーテンの隙間から覗く外の様子は室内の明りの反射でよく見えなかった。
サッシを開けて冷たい空気に触れながら、
天気予報の的中率を確認する。
夜空に雪が揺れ、
吹き込む風に乗って私のすぐそばまでやって来た。
私はサッシを閉めて部屋に引き返すと、ダウンを羽織り、電気を消した。
そして、真っ暗な玄関でスニーカーを履くと、
それよりも暗い夜に飛び出した。
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