夢か現実か、それとも過去か

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「鈴って、料理上手いよね」 私の作った煮込みハンバーグを二人で食べ終わったところだった。 純也さんは私のことを『スズ』と呼ぶようになっていた。 そんなことないよと謙遜(けんそん)する私に純也さんは明るく言う。 「そんなことあるよ。いつも美味しいし。結婚するなら絶対料理ができる人がいいもんね」 「……そう? でも私、整理整頓が苦手かも」 「そうかな? いつも部屋綺麗じゃん。それに、俺得意だから、それは俺がやるからいいよ」 純也さんは自分の未来に、 私を置いていた。 私は静かに微笑む。 そんな未来も ありかもしれない。 そう思って、 頷くように微笑むのだ。
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