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「うーん。まだ何も決めてない」
「私もまだ迷ってるんです。実は今月結構厳しくて……給料日過ぎないとプレゼントは無理そうなんです。でも彼には何か、喜んでくれそうなものプレゼントしたいし……」
「そっかぁ」
「そっかぁって、鈴先輩もまだ決めてないんでしょう? なんだろ、その落ち着き。先だと思ってるけど、あっという間ですからね。もう少し焦った方がいいですよ。私なんて、毎日ネット見て探してるんですから。もう……鈴先輩の落ち着きを半分分けて欲しいですよ」
「あはは。私は美和ちゃんのときめきを半分分けて欲しいよ」
つい、本音がこぼれ落ちた。
私は大人になった。
ときめくだけが恋じゃない。
わかってる。
たとえそれが、
美和ちゃんにはわからなかったとしても。
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