包装

7/14

1058人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「じゃあ、鈴先輩。10日の給料日が過ぎたら一緒にプレゼント買いに行きません? 定時であがれば十分買い物も出来ますよね? 12日の金曜、どうですか?」 今年のバレンタイン2月14日は日曜日。 私は給料日は関係ないけれど、 美和ちゃんに便乗しようと思った。 それに、 私には、美和ちゃんの助けが必要な気がした。 「うん、いいよ。美和ちゃんにアドバイスお願いしようっと」 「いいですよ」 美和ちゃんは丁寧に塗ったルージュの上からさらにたっぷりのグロスをのせた。 仕事帰りに彼に会いに行くのだという。 メイク直しを終えた美和ちゃんはとてもかわいかった。 「じゃ、鈴先輩! お疲れさまでした!」 美和ちゃんは化粧ポーチをバッグに詰め込んで、 軽い足取りでロッカールームを出ていった。 今日は週の半ば、水曜日。 はつらつとした彼女に手を振る振る私は、 まだ全部を着替え終わっていなかった。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1058人が本棚に入れています
本棚に追加