1058人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「じゃあ、鈴先輩。10日の給料日が過ぎたら一緒にプレゼント買いに行きません? 定時であがれば十分買い物も出来ますよね? 12日の金曜、どうですか?」
今年のバレンタイン2月14日は日曜日。
私は給料日は関係ないけれど、
美和ちゃんに便乗しようと思った。
それに、
私には、美和ちゃんの助けが必要な気がした。
「うん、いいよ。美和ちゃんにアドバイスお願いしようっと」
「いいですよ」
美和ちゃんは丁寧に塗ったルージュの上からさらにたっぷりのグロスをのせた。
仕事帰りに彼に会いに行くのだという。
メイク直しを終えた美和ちゃんはとてもかわいかった。
「じゃ、鈴先輩! お疲れさまでした!」
美和ちゃんは化粧ポーチをバッグに詰め込んで、
軽い足取りでロッカールームを出ていった。
今日は週の半ば、水曜日。
はつらつとした彼女に手を振る振る私は、
まだ全部を着替え終わっていなかった。
最初のコメントを投稿しよう!