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週末までの日々を何の変化もなく淡々とこなす。
月初を迎えて仕事も忙しく、
残業もしながらあっという間に金曜を迎えていた。
金曜も2時間の残業を終えて帰宅した。
金曜の夜は夜更かしを決め込んでいる。
この日も何をするでもなく、
ただいつもより長風呂をして、
顔の手入れも時間をかけて、
明日のことをぼんやりと考える。
純也さん、何時にくるのかな。
ご飯は何を作ろうかな。
そんなことを考えていたからか、
純也さんから電話があった。
「もしもし?」
「あ、鈴? ごめん。明日、仕事になって、その後もお客さんとの付き合いになっちゃって、明日は行けそうにない」
「……そっか」
なんだか肩の力が抜けて思わず漏れた声に、
純也さんは息をもらして笑った。
「……寂しい?」
そう聞かれたら選択肢はない。
「……うん、寂しい」
そしてもっともらしく付け足した。
「でも仕事だから。大変だけどがんばってね」
「わかった。ありがと」
私たちはそれから少しの間話をしてから電話を終わらせた。
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