涙に濡れる日々

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しばらくしゃがみ込んでいると、 通りの向こうから人の気配がしたので涙を拭いて立ち上がった。 胸がいっぱいで息が苦しい。 この真冬に寒さよりも辛いものがあるなんて知らなかった。 愛おしさは ()てつく寒さなんかよりも ずっと辛くて 私を苦しめる。 春になって溶けだせばいいけれど そんなわけにもいかないだろう。 春まで…… ……待てそうになかった……。
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