エピローグ

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闇と光を抱いた空は もうそのほとんどが光となって、 最後の星を優しく包む。 もしも私たちに本当に夜明けが訪れるのだとしたら、 願わずにはいられない。 私たちを導いた大切な人々に、 その光が降り注ぐことを。 かすかな瞬きが消える瞬間に、 私は祈りを込めて 溢れる涙を手のひらで払う。 この瞬間を見逃さないために――。 そして、最後の星が消えゆく瞬間を 私はこの目で確かに見届けた。 私たちの長い夜が明ける。 私たちの長い夜が――。 「……健吾くん……     夜が……明けるね……」 ――――――― Fin ――
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