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十になると
学舎にて学童と共に、白線を渡る。なぜ、どうしてと疑問にすら思わずにただただそれを甘受し言われるがまま。時に競い時に笑い合いながら白線の上を歩む。線の外を歩いては為らぬと誰かが言った。線の外は地獄、蛇の道ぞ。ああなんて素敵なことを知ったのだろう瞬く間にそれは広がり取り決められた。例えばそう、あの物語の勇者のように切り立つ崖今にも崩れそうな細く頼りない足場に勇気をもって踏み出すのだ。あの頃と同じ白線の上を、沢山の思いを馳せながら歩く。
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