第2話

4/10
前へ
/10ページ
次へ
五年前、私は妊娠していた。 上京してすぐのことだ。 好きと言うよりも見栄で付き合ったような人だった。 かっこいいって言われるとそうなのかなって思う。 カッコいいとか悪いとかってすごい主観的なものじゃない? 見た目が気になるのは一瞬だけで、 時を重ねるごとにそんなのはどうでも良くなる。 出会ってしまえば、後はどうにでもなるってこと。 一瞬なんだ。 好きになるかどうかなんて。 その一瞬さえすぎれば、割とどうでも良くなる。 私はその時間が他の人よりも短いらしい。 私は、 好きと嫌いの差がほとんどない。 世間的にはビッチとかって言われる人種なのかもしれない。 良い言い方をすれば、博愛主義とでもいうのだろうか。 だれでも好きになるし、だれでもどうでも良くなる。 だから、世界で二番目に好き。 好きに対しての感情の触れ幅が非常に少ない。 ドラマとかで、死にそうな人の心電図かなんかで、 ピーって横ばいになるってシーンがあるじゃない? ああいうものかもしれない。 私の恋愛感情は。 そんな私。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加