行きつ、戻りつ。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「……じゃあ、陽香は聞いてたの? 弘毅から?」  携帯用ボトルにコンソメスープを入れて持ってきた陽香が、マグカップに注いでくれながら頷いた。  昨日、俺が病院のご飯の味があまりしないとぼやいたかららしい。  病人じゃないからこれでもちゃんとした方らしいんだけど、それにしても薄すぎると思った。  陽香の気遣いをありがたく思いながらマグカップを受け取る。 「久遠寺菜々子ちゃんて子のこと。話してくれたよ。彼自身のことも……」  思わず陽香は言いよどんだ。  それはそうだろう。陽香はそんな話を喜んで口にするような女じゃない。  弘毅自身のこと──それを考えると、俺も心が疼く。  そんな傷の癒し方など、俺なんかが知るはずがないのだから。  陽香は少し沈んだ目をしながら、マグカップを持ったまま動かない俺を見て溜め息をついた。 「仁志くん、あたしね」 「……うん?」  ちゃんと熱いスープを口にしながら、俺は陽香の顔を見る。 「おいしい」 「よかった」  陽香はボトルの注ぎ口をパチンと締めてしまうと、椅子に腰を下ろした。 .
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