230人が本棚に入れています
本棚に追加
仁志くんの耳元でそうささやくと──彼は納得したのかしないのか、やっと深く眠り始めたように、すうすうと浅いながらも規則的な呼吸を繰り返すようになった。
それを見つめながら、泣きながら笑い出したくなってしまっている顔が緩まないよう必死に耐えた。
……今の絶対、お母さんがいなくなったの見計らって言った……。
こんなに執着してくれるなら、どうして7年も放っておいたの……。
仁志くんが起きたら、宣言しなくちゃ。
決してこのままでは済ませないんだから……と、仁志くんの汗ばんだ手を握る手に力を込めた。
.
最初のコメントを投稿しよう!