宅急便

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「見た目程重くないですよ」 「あ、はい、どうも」  あら、ホント。  激軽。  ちょっと拍子抜けしながら一箱受け取った私の足元に、もう一つ同じダンボールが置かれた。 「え?2つ?」 「はい。レジデンス茜台502号室、池上航大(コウダイ)様ですよね。時間指定でお2つ。間違い無いです」  時間指定だとっ!  当の本人は、引っ越しの荷物もほどかないまま自転車持って出掛けちゃってるのにぃ!?  はいはい、私が受け取ればいいんですよね。 「ご苦労様です」  これは、軽いとはいえこんな大荷物を階段で5階まで運んで下さった、彼へのせめてもの労いの言葉です。  この先私は、何回このような宅配便のお兄さんを労う事になるのでしょうか。
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