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身体を抱き寄せ、背中の中心を指先でなぞる……滑らかな仕草。
「……ッッ」
返事をしたいのに
唇から放たれるモノは
それにならない。
シンクに寄り掛かり
言葉と裏腹な余裕の笑顔は
アタシが三番目に、好きな表情……。
「謝る事じゃねーじゃん。
それとも……
俺より『いい奴』、見つけた?」
「っそんなワケ……」
ーーーないじゃない!
言葉を遮る唇口に
一気に体温が上がった。
まるでアタシを
食するかのように
唇肌を味わうキスには
………簡単に、熔かされる。
刺激が
時に弱くなる
試すように
アタシを伺うように
もっと、強くして貰いたくて
瞼を開けると
目尻を下げ、ジッと見下ろす彼の瞳が
『どーしたい?』
無言の囁き。
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