686人が本棚に入れています
本棚に追加
「……煽ってない。
……誘惑してるの」
撫で回っていた指の動きが止まり、彼の瞳の真ん中にアタシが映った。
「アタシがアタシで居れる場所は
ユウの胸の中だけよ……」
ーーーこんな台詞
恥ずかし過ぎる。
身体の中の熱が、頬をも火照らせ
思わず視線を背らせた。
直面を避けるアタシの顎を掴んで、元の位置に戻される。
ジッと観察する様に見詰めた後、甘さの消えた声が落ちてきた。
「……熱、ある?」
「………………は?」
「………だって、身体も頭も、……熱いぞ?」
ーーー違うわよ!
……そう、怒鳴りそうになるのを
グッと飲み込んだ。
「熱、あるわ」
云った瞬間、ユウの顔は一気に看護師へ切り替わる。
「っなんで云わなかったんだよ。
……あぁ、俺がこんな事してっと、云い辛いか……。
わりぃ……、今薬持って来るから」
,
最初のコメントを投稿しよう!