琉生×梓

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出店でホットコーヒーを買って、光の中にあるベンチに座り その美しい光景に暫く二人で魅入る。 「人の造った光を綺麗だと思うのは、駄目なのかな?」 唐突な問い掛けに、横に座る彼女に視線を送る。 ボ~っと光の草原や木々を見詰めたまま、言葉を続けた。 「この光が無かったら、星もまだ綺麗に見えるのかな?」 暗空を仰ぎ見る。 首に冷気を感じてヒンヤリ身震いした。 「星も負けてないよ?」 僕の呟きに、アズも空を仰ぎ見た。 周りはイルミネーション。 でも僕等は寒空で透き通る星々を眺める。 「……綺麗だね」 ポツンと空に向かって放たれた言葉。 僕はそんなアズを見て頬が緩む。 「ホントだね」 そう云いながら、少し開いてる唇口を優しく塞ぐ。 ,
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