祐二×麗香

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「麗香さん、お疲れ様でした。  明日は今年最後のオフなんで、ゆっくりして下さいね」 車を自宅に走らせるマネージャーが話し掛けてきた。 返事をする代わりに、大袈裟な程大きな溜め息をしてやる。 マネージャーは直ぐに気付いて苦笑い。 「しょうがないですよ。  歌手にとって年末は特番オンパレードだし、雑誌の取材も……」 「分かってるわよ。  ……分かってるけど……」 ーーーヤルセナイ。 車から流れる光を眺めながら、小さな溜め息。 ーーーユウと居たいのに…… 恋人と過ごしたい日が、芸能人にとっては稼ぎ時らしい…… 「イブやクリスマスは、何時くらいに終わりそうなのかしら?」 「歌番で、確かliveだったと思います」 「………そう」 liveなら遅くなりそう……。 マンションの前に停車し、マネージャーと別れ自宅へ向かう。 足取りは重く、無意識に俯いていた。 ,
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