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指に髪を絡ませながら、頭を優しく撫でてくれた。
「アタシがおセンチじゃ無いわ。 ユウが優し過ぎるのよ」
「俺、そんな優しくねーし」
「優しいわ」
「そんな事云ってくれんの、レイだけだし。
それに、俺……自信もねーし」
彼を見上げると、寂しそうに笑ってる。
「レイの周りは、格好良くて、才能があって、金持ちな男がワンサカいるだろ?
俺なんて、しがない只の看護師だぜ?
レイに見合う奴が居るんじゃねーかって、時々考えるよ」
ユウの発言は衝撃的だった。
だって、あの自信満々俺様祐二の台詞だとは、信じられない。
……あぁ、そうか。
そんな風にさせたのは、きっとアタシのせいなんだ……。
「……ご、めん」
おでこを胸に当て、小さく呟いた。
頭上で吐く息が、アタシのウネる髪を揺らす。
背中に圧を感じ、抱き締められた事を知った。
髪に頬擦りする、彼の雰囲気が代わるのが分かる。
「なんで、謝んの?」
甘さを含む、少し意地悪な声。
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