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「……長瀬、それ、本当に?」
「そんな嘘つかねーよ。確認した方が良くねーか?」
「すぐにやる!」
「あ、おい!」
長瀬が制止する声も聞かずに、私は踵を返した。
まっすぐ、御園さんの元へと向かう。
私が勢いよく近づいてきたからか、御園さんは少し驚いた顔をしていた。
「あの、御園さん……お話が」
「何ですか、急に」
「ちょっと、よろしいでしょうか?」
怪訝な顔をしたままの御園さんを促して、そっとスタジオの端へと移動する。
外だと寒いし、何より大声を上げるような事態にならないよう、祈りを込めた行動だった。
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