【第22話】衝突と衝撃

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  「制作会社+Dの羽村と申します。今回の案件の担当をしております。撮影に関して何かありましたら、いつでもお声かけてくださいね」 挨拶は、柔らかい声とはっきりした口調で、笑顔を忘れずに。 内藤さんと辻さんが微笑む隣で、男性二人も軽く頭を下げながら挨拶を返してくれた。 「どうも、商品開発リーダーの小西です」 「広報・PRをさせていただいています、藤井です。あなたが羽村さんですか、内藤さんからお話は聞いていますよ」 クライアント二人の笑みは、私の心を軽くしてくれた。 なぜなら、第一印象で嫌われないこと、というのは、普段会うことのないクライアントと良い関係を築くために、けっこう大事なことだったりするからだ。 「恐縮です。寒いですから、中へどうぞ。スタッフを紹介します」 私は笑顔を絶やさず、そっと入り口へと促した。 .
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