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「澪先輩、そろそろお昼ですぅ」
駆け寄ってきたユリナちゃんの声で、時計を見る。
すでに十二時を少しだけ回っていた。
集中していたせいで、予定より押していたことに気付かなかった。
しまった、と思いながらユリナちゃんに指示を出す。
「お弁当、クライアントとモデルさんたちに運んであげて。スタッフにも声かけるから」
「了解ですっ!」
さっと仕出し弁当を並べ始めたユリナちゃんを見て、私は大きく声を張り上げた。
「みなさん、お疲れさまです! ごめんなさい、ちょっと遅くなってしまいましたが、一旦休憩しましょう! お弁当はそちらに、お茶もありますのでどうぞ!」
その声で、張りつめていた空気が少しだけ緩む。
私は全員にお弁当が行き渡るのを確認してから自分の分を手に取り、椅子に腰掛けた。
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