1520人が本棚に入れています
本棚に追加
……御園さんが、私の方を睨むように見ていた。
その視線は妙に恐ろしく、足が一瞬、止まってしまうくらいだった。
頭を振って、御園さんの視線を振り払う。
気にしない、気にしない。
自分に言い聞かせながら、長瀬に問いかける。
「……なに、長瀬?」
「お前、知ってんのか? あれ」
「あれ、って?」
首を傾げた私に、長瀬が溜息まじりに言った。
「御園さん、まだ俺のデザイン案持って、クライアントに話してるぞ。まるでこれが出来上がる、みたいに」
「え!?」
あまりの驚きに、遠慮のない大声が飛び出した。
.
最初のコメントを投稿しよう!