第6話

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迷いが無くなれば、身体全部で佐久間を感じれば良い。細いけれどしなやかな身体を抱きしめる。 応える風に佐久間の腕が背中に回る。頬に少しだけ薄い髭の感触…微かな汗の香りすら心地よかった。 すっぽりと私の纏うニットが、腰の辺りから頭に向けて取り払われる。両手を伸ばしてその作業に加担する。 私は佐久間の身体を両手で起こし、白いシャツのボタンを上からゆっくりと一つずつ外してゆく。 目が合えばお互いに照れてしまう。薄明かりの中で、佐久間の体毛の少ない胸が現れた。 佐久間も無言で私を覆う全ての布を取り去った。 唇を合わせ舌を絡める…隔たりの無くなった肌が重なるキスは、先程より遥かに心地よく感じる。 唇と舌が、私の頬や瞼や耳の外周を味わう様についばむ。 そうして軽やかな心地よいついばみが、首筋を下り胸の先端へと降りてゆく。
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