第6話

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「それは聞きにくい…」 「聞かなくても…大丈夫」 「えっと…今更だけど彼氏とか居ないよね…」 「私が聞きたいぐらい…佐久間さん、周りに良いオンナが沢山居るしね」 「佐久間さん…せめて涼って読んで欲しいなぁ。それに、周りの良い女って?」 「女優のエリナ…とか。佐久…涼さんのファンだって、ジュンさんが言ってたし。逆立ちしても勝てる気がしないわよ」 「もしかして、妬いてくれてたりするのかな。それは嬉しい」 十センチも離れていない場所に、佐久間の嬉しそうな笑顔。 「少しだけね…」 拗ねたふりをする私に、軽く口づける。 「エリナねぇ…仕事に繋がるなら誰のファンにでもなるよ、彼女」 「誰とでも寝ちゃう…とか?」 佐久間は笑いを堪えながら聞き返す。 「それは、僕と寝たかって質問?」 以前の事などどうでも良い。けれども、女から見ても魅力的な彼女と比べられるのは嫌だ。 「意地悪…そうよ。比べられたら嫌だもの」
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