神罰の声は高らかに

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 その雰囲気をどんな言葉で表せばいいのか、未だに形容し難い気持ちと言葉が胸中を堂々巡りしていた。語彙が少なくとも、強いて言うならばこんな感じなのかと神の子であるパトリシアは思うのだ。 「嫌な雰囲気」    今日の目覚めは最悪だった。起きたと思ったら元老院達が視界に入り、神の右手であるノエル・ノーリーンと神の左手であるスヴェン・ルーペルトらが険悪な雰囲気のまま対峙しており、そっと息を吐いてしまうくらいの最悪さ。  窓から差し込む光は今日は眩しくなく、思わずそちらへ視線を動かせば昇っている太陽が翳っていながら光っている感覚、差し込む光が鈍く輝いているように見えた。  鼻で呼吸をすれば大好きなノエルとスヴェンの甘く焼けたパンのような匂いではなく、元老院達の鼻が曲がりそうになる香水の臭い。  瞳を擦る暇もなく捲し立ててくる元老院達に寝惚けながら対応すれば抑揚と語彙に富んだ朝の挨拶、まるで好きな女にアプローチする男のように饒舌な言葉は空回りを繰り返し、パトリシアは大きな欠伸を返す。 「おはようございます。各々も式典準備があるはず、それぞれお願いしますね」  マイペースな物言いのパトリシアに元老院達は空回る舌を止め、深くお辞儀をすれば一人また一人と神子の部屋を出て行く。  頭を下げてから帰るまで顔を見せなかった彼ら彼女らはどんな表情をしてたのだろうか、と思案するパトリシアだが予想とそう違わないのだと結論付ければやはり不快な朝だと思う。  心配そうに見つめてくる二人に首を振ってやれば更に眉間に皺を寄せて何かを考えている様子。
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