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入れ、と少女が返事をすれば、数秒間を置いて、失礼します、という声と共に一人の銀髪の少女が部屋に入ってきた。
少女、と言っても初めから部屋にいた少女よりはだいぶ大人びて見える。
銀髪の少女は紅茶やケーキの乗せられたワゴンを押しながら部屋を進む。女性に気づくと会釈をした。
「あら、本当に来た」
驚いたように女性は声を上げる。その反応に満足気に少女は笑う。
「当然でしょ? 運命は絶対よ」
そんな二人の会話を聞いて銀髪の少女はため息を吐く。
「お嬢様。運命も何もいつもこの時間に紅茶をお届けしてるじゃないですか」
「ぐっ。余計なこと言うんじゃないわよ」
クスクス、と女性が笑うのを見て少女は顔を赤くしてそっぽを向く。そんな少女を見て銀髪の少女はまたため息を吐く。
「まあまあお嬢様。ほら、今日はいつもと紅茶の味を変えてみたんですよ」
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