Shoot a shock

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Shoot a shock

夜の繁華街はきらびやかなネオンの光に照らされて、真昼のように明るい。 街灯や行き交う車の光が線を作り、夜の町を彩っている。 その、上空。 都会の人工灯によってかき消されてしまった星々が、激しい明滅を繰り返していた。否、それを星の光とするにはあまりにも巨大で、目映すぎる。 音を上げるわけではなく、激しい閃光を撒くそれに、しかし、雑踏を行く人々はまるで、そんなことなど起こってはいないかのように動いている。 と、一際に激しい閃光と共に轟音と爆風が起こった。 「ーーーっ!!」 灼熱の炎を掻き分けて、一つの影が飛び出す。と同時に、おぞましい外観をした触手が幾つも炎の中から飛び出し、影を追う。影は長い筒状の棒を手に宙を縦横無尽に駆け回り、触手を避ける。あるいは手にした棒を触手へと向け、手元にある引き金を引く。 【SHOT!!!】 高らかな声と共に、棒…………銃身が異常なまでに長大な銃は火を吹き、赤褐色の球弾を幾つも放ち、迫り来る触手の群れを消し飛ばす。 影は流星のような素早さで駆け回り、踊るように不規則な動きで迫る驚異を翻弄する。明確な敵意をもって襲い来る触手に対し影は、急速な旋回を繰り返し、ギリギリのところで回避。銃口をすれ違い様におぞましい造形へ向け、躊躇なく赤褐色の閃光を放つ!! 爆音が響くごとに撃ち払われていく触手は勢いを衰えさせ、灼熱の中心へと戻っていく。それを影は間髪入れずに追撃。閃光の嵐が灼熱の炎へと吸い込まれるように着弾し、耳をつんざく甲高い絶叫が響いた。火に薪をくべるが如く、炎はその勢いを増し業火へと変貌を遂げる。 「キュルイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィ!!!!」 業炎を掻き分け、悲痛の叫びを撒き散らしながらその声の主が姿を表した。
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