◇◇ 第12章 彼の誕生日 ◇◇

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社内は広い。 まだまだ知らない社員がたくさんいるんだから、いろんな考えの方がいらしても仕方がない。 「はぁーっ」と、あたしは深いため息をついた。 「まぁ、それだけいい男って事よ」と、村上姉さんが肩を叩いた。 「お、お疲れさまです」 「今夜は本当に会わないの?」 「はい。その予定です」 「そっか。じゃあまた明日」 「お疲れさまでした」 外に出ると、まだ空は明るくて。 なんだかこのまま家に帰ることが勿体ない気がしてくる。 でも、行く宛もないし。 あたしは何だか寂しい気持ちで家に帰った。
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