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「璃子。おいで」
優しい笑顔でそっと抱き寄せる。
「俺……まだ1番大切な人に祝ってもらってないんだ」
えっ……
「今日会う大切な人って?」
「あっ、坂本に聞いたのか?」
「村上姉さんに」
「俺の大切な人って言ったら?」
「言ったら?」
ふと見上げると、優しい笑顔をたたえた和也さんが、じっとあたしを見つめている。
答えを聞かなくてもいいよね?
「……お誕生日、おめでとうございます」
和也さんは、ギュッとあたしを抱きしめ、耳元で囁いた。
「ありがとう。璃子」
そして、そっとキス。
すべてがフリーズするくらいの甘いキスを落としてくる。
何度も何度も角度を変えて、そっと優しく包み込む。
あたしは、すべての不安から解放されて……
和也さんに包まれた。
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