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璃子は、ウルウルした瞳で俺を見上げ、ひとこと呟いた。
「和也さん……抱いて」
吸い込まれるほどのまっすぐな瞳が、たまらなくかわいい。
まさか璃子からこんな台詞が出てくるなんて想像していなかった俺は……
一気に理性のストッパーが外れた。
見つめる璃子に、優しくキスを落とす。
ギュッと抱きしめもう一度キスを……
と、思った瞬間。
璃子から力が抜けた。
よく見ると、すやすや寝てる。
……マジかよ?
「……生殺しだな」
俺は、ため息と共に呟いた。
きっと璃子は覚えてもいないだろう。
でも、確実に大人の階段を上り始めた璃子を
俺は、うれしく愛おしく感じた。
璃子……ゆっくりでいい。いい女になれ!
俺は、もう一度ゆっくり抱きしめ、唇にキスを落とし、そっとベッドに寝せた。
はぁ……とんだ誕生日だ!
俺は、ゆっくりビールを飲むと、気持ちを落ちつけた。
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