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翌朝。カーテンの隙間から射し込む日射しで目が覚めた。
あ~、よく寝た。
でも、いつ寝たんだっけ?
時計を見ると……ちょうど6時半。
洗面所から水の音がする。
そっと覗くと、和也さんが身なりを整えていた。
あれっ!?
すべての記憶をかき集め、必死に思い出す。
昨日は、和也さんの誕生日で……
食事して……
ダメだ……そこまでしか、思い出せない。
自分の身なりを確認しても、明らかに何もしていない。
あたしったら……どこから寝ちゃったんだろう?
必死に記憶の糸を辿っていると、後ろから声をかけられた。
「璃子、おはよう」
思考の途中に声をかけられ驚いたあたしは、間違いなく10センチは飛び上がったはず。
「かっ、和也さん!おはようございます!あのあたし……」
「爆睡だったね」
和也さんは、クスクス笑っている。
……ですよね。
彼氏の誕生日に先に爆睡って……
「ごめんなさい」
とりあえず、素直に謝った。
「いいよ。今度お返ししてもらうから」
和也さんは、微笑んだ。
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