◇◇ 第12章 彼の誕生日 ◇◇

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翌朝。カーテンの隙間から射し込む日射しで目が覚めた。 あ~、よく寝た。 でも、いつ寝たんだっけ? 時計を見ると……ちょうど6時半。 洗面所から水の音がする。 そっと覗くと、和也さんが身なりを整えていた。 あれっ!? すべての記憶をかき集め、必死に思い出す。 昨日は、和也さんの誕生日で…… 食事して…… ダメだ……そこまでしか、思い出せない。 自分の身なりを確認しても、明らかに何もしていない。 あたしったら……どこから寝ちゃったんだろう? 必死に記憶の糸を辿っていると、後ろから声をかけられた。 「璃子、おはよう」 思考の途中に声をかけられ驚いたあたしは、間違いなく10センチは飛び上がったはず。 「かっ、和也さん!おはようございます!あのあたし……」 「爆睡だったね」 和也さんは、クスクス笑っている。 ……ですよね。 彼氏の誕生日に先に爆睡って…… 「ごめんなさい」 とりあえず、素直に謝った。 「いいよ。今度お返ししてもらうから」 和也さんは、微笑んだ。
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