◇◇ 第12章 彼の誕生日 ◇◇

38/38
前へ
/39ページ
次へ
「はぁ!?あんた何それ?」 給湯室に村上姉さんの怒りのひと言がこだました。 昨日の記憶の限りと、今朝のコーヒーまでをお話したあとのひと言だった。 「……ですよね」 「松本部長が桜井の家に行ったって聞いたから、てっきり璃子ちゃんプレゼントかと思ったのに!」 期待に添えずに申し訳ありません。 昨日、偶然、松本部長が荷物を抱えて歩いているのを坂本さんが発見して、あたしの家まで車で送ったらしい。 それで、坂本さんと村上姉さんは、あたしたちが一緒に過ごした事を喜んでいたんだとか…… まさか、あたしが、爆睡をかますとも想像せず。 「いやぁ、どこからか……寝ちゃいまして。気がついたら、ベットでした」 「桜井……あり得ないんだけど」 「あたしも、びっくりでした!」 もはや笑うしかないあたしと、呆れるしかない村上姉さんだった。          
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2612人が本棚に入れています
本棚に追加