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「でも、随分急だね。和也君が急ぐ理由はなんだい?」
和也さんは、少し恥ずかしそうに話し始めた。
「実は、情けないかもしれませんが。
璃子さんに少しでも傍にいていただきたくて……
他の男性が手を出しにくい状況を少しでも早く整えたくて」
「クスクス」と、母が笑った。
「すいません……」和也さんが言うと
「いえいえ違うのよ」と、母が話し始めた。
「25年前にも、おんなじ台詞を聞いたから、思い出したのよ」
「母さん、恥ずかしいからやめてくれよ」父が恥ずかしそうに言う。
あたしと和也さんは、不思議そうにふたりを見つめた。
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