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父と母の昔話も聞けて、緊張からも解放され、和やかな談笑の時間が過ぎた。
「では、そろそろ」と、立ち上がる和也さんに
「まぁ、お夕飯でも召し上がって行かれて」と、母がひき止める。
「お母さん申し訳ありません。実は、引っ越し業者との打ち合わせがございまして……」
と、言いながらあたしの顔を見る。
えっ、引っ越しの手配も進んでいたの!?
心の中で誰よりも驚いていたあたし。
でも、ここは合わせて返事を返した。
「ええ、そうなのごめんなさいお母さん」
「まぁ、残念。だけど、この連休中にしないと大変よね。また落ち着いたらいつでもいらしてね」
「ありがとうございます」和也さんはにこりと笑顔で頷いた。
「では、お父さんお母さん本日は、ありがとうございました。これから、どうぞ末長くよろしくお願いいたします」
和也さんは、丁寧に頭を下げると、あたしをエスコートしながら実家を出た。
車に乗ると、あたしは、父と母に手を振りながら実家をあとにした。
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