◇◇ 第13章 桜井家へ ◇◇

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車が走り出し、実家が見えなくなると、あたしは、すべての緊張から解放され、自然と大きなため息が出た。 それを見てクスクス笑う和也さん。 「大丈夫?」 「はい。大丈夫なのですが、 こんなに緊張して疲れるとは思っていませんでした。 和也さんは、疲れませんでしたか?」 「全然。とてもご理解のある素敵なご両親だったし、とても楽しかったよ」 運転する和也さんの横顔を見ると、なんだか本当に清々しい笑顔で…… 素敵なご両親と、いわれた事にも、あたしはホッとした。 「お母さんも楽しい方だね」 あっそうだ!帰り際に和也さんに何やら耳打ちしてたもんね。 「母、帰り際に何て言ったんですか?」 「んっ……知りたい?」 「知りたい!」 「お父さんは、おじいちゃまに手を出さないって言ったけど、手を出したのよっ!だから、和也さんも璃子に手を出してもいいからねっ!って……」 「お母さんたら」 まったく。聞いたあたしが恥ずかしくて真っ赤になっちゃうよ。 「だから、大丈夫です。おまかせくださいって言っといたから!」 「えっ!?」 それもそれで恥ずかしい。あたしは、ますます真っ赤になった。 そして、和也さんは、あたしの手を握り 「璃子、一緒に幸せになろう」 と、力強く言った。 あたしは、はにかみながら 「……はい」って頷いた。
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