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翌日、10時から始まった詰め込み作業は、あっさり終わった。
引っ越しの繁忙期から外れていたことと、業者から作業員がたくさん来たから。
1時間ぐらいで終わり、そのまま荷物は和也さんのマンションに運ばれた。
あたしは残ってお掃除を、和也さんには、マンションでの荷物の受け取りをしてもらった。
あたしは、今までありがとう。と、感謝の気持ちでお部屋の拭き掃除をしていた。
携帯が鳴る。
『着信 松本和也』
「はい」
「璃子、荷物の下ろしが終わったよ。今から迎えに行くけど、何か要るものあるかな?」
「ありがとうございます。特に無いです」
「了解。じゃあ今から向かうから」
「はい。ありがとうございます」
あたしは、荷物の無くなった部屋の中を見渡した。
ほんの半年間しか住んでいなかったけど、笑ったり泣いたり。
それなりに居心地のいい空間だった。
和也さんに出逢って、恋をして……今はもう婚約者?
ある意味、出世するお部屋だったかな……なんて。
まだ新しい記憶を思い起こしていた。
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