◇◇ 第14章 引越し ◇◇

7/8
2891人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
翌日、10時から始まった詰め込み作業は、あっさり終わった。 引っ越しの繁忙期から外れていたことと、業者から作業員がたくさん来たから。 1時間ぐらいで終わり、そのまま荷物は和也さんのマンションに運ばれた。 あたしは残ってお掃除を、和也さんには、マンションでの荷物の受け取りをしてもらった。 あたしは、今までありがとう。と、感謝の気持ちでお部屋の拭き掃除をしていた。 携帯が鳴る。 『着信  松本和也』 「はい」 「璃子、荷物の下ろしが終わったよ。今から迎えに行くけど、何か要るものあるかな?」 「ありがとうございます。特に無いです」 「了解。じゃあ今から向かうから」 「はい。ありがとうございます」 あたしは、荷物の無くなった部屋の中を見渡した。 ほんの半年間しか住んでいなかったけど、笑ったり泣いたり。 それなりに居心地のいい空間だった。 和也さんに出逢って、恋をして……今はもう婚約者? ある意味、出世するお部屋だったかな……なんて。 まだ新しい記憶を思い起こしていた。           
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!