◇◇ 第15章 ふたりの生活 ◇◇

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「風呂に入ろうか?」 「そうですね。あたし、埃だらけのまま寝ちゃってましたから、きれいにしたいです」 「夕飯は、ピザでも取るか?」 「そうですね。その方が嬉しいです」 「じゃあ、一緒に風呂に入ろうか?」 「それは無理です!」 「引っ掛からなかったなぁ」 「会話のついでで騙そうたってそうはいきません!和也さん先に入ってきてください」 そう言って、和也さんをお風呂へ促す。 「引っ越しがんばったから、璃子に体を洗ってほしかったんだけど」 「もう!そんな事言って、ダメですってば!」 和也さんったら、あたしが赤くなるのをわかっていて、わざとサラリと出来ない事を言って、 あたしの反応を楽しんでいる。 そんなじゃれあうような会話が、くすぐったくて…… うれしくて…… あたしは、幸せを噛みしめた。
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