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「璃子、お風呂いいぞ」
上がってきた和也さんが声をかけた。
きっと育ちが良いのだろう。
和也さんは、決して、肌を露出させたまま出てくることはない。
着心地のよさそうな寝間着をきちんと着て出てくる。
普段はきちっとセットされている髪は、洗われて、
今は、サラサラヘアになっていた。
髪をかき揚げる仕草に男の色気が漂っていて、
その一連の動作を見ながら、あたしの胸はキュンとなる。
見とれていると
「どうした?」
って声をかけられ我に返った。
「……」
「惚れなおしたか?」
優しく微笑む笑顔にヤられてる。
「あたしもお風呂いただいてきます」
恥ずかしくて、慌てて逃げた。
男性経験は無いけど、それなりに恋はして、キュンとする気持ちを味わってきたつもりだったけど……
あたし、どんどん和也さんの事を
好きになってる。
止まらない。
溢れ出す気持ちが……
止まらない。
やっぱり、この生活は、心臓に悪い!
あたしは、モヤモヤを洗い流すため、お風呂に入った。
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