◇◇ 第15章 ふたりの生活 ◇◇

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ちゃぽん…… 夏の暑い中での引っ越しは、汗だくな上に埃まみれで真っ黒。 全身をきれいに洗い、あたしはすっかりご機嫌になっていた。 ぬるめにいれられたお湯は心地よく、和也さんの心遣いが感じられる。 「はぁ~極楽」 なんて心地よいバスタイムを過ごした。 もうそろそろピザの宅配が届く頃かも。 あたしは、いつもの場所のバスタオルを取りだし、体を拭いた。 「うそっ!?」 あたしは、着替えを持ってくるのを忘れていた。 和也さんにドキドキしながら、慌てて来たので、すっかりお部屋に置き去りにしていたのだ。 「うそ、でしょ?」 あたしの部屋は、リビングを必ず通らなくてはいけない。 バスタオルを体に巻きつけ覚悟を決めた。 サッと行けば大丈夫! 髪を乾かし、そっと扉を開けた。
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