◇◇ 第15章 ふたりの生活 ◇◇

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物音がしない。 和也さん寝てるかも? そっと扉から出てリビングへ滑り込む。 寸前のところで、和也さんと鉢合わせになった。 「きゃっ」 慌ててタオルを握るあたし。 一瞬、驚いた目をした和也さんが、クスっと笑い、目を細めた。 「璃子、大胆すぎ!」 思わず、真っ赤になって逃げようとするあたしを、余裕の笑みを浮かべた和也さんが捕らえる。 そのまま、そっと抱きしめられた。 「ちっ違うんです!着替えを部屋に忘れて……」 「そう。忘れたんだ」 必死に言い訳をするあたしを、優しく見つめ…… そしてそのまま言い訳をしていた口は、塞がれた。 蕩けそうな甘いキス。 思わず、バスタオルを落としそうになるのを、必死に押さえた。 そのまま和也さんの唇が首筋を伝い、鎖骨の下辺りで止まった。 チクッとする痛みを感じたと同時にインターホンが鳴る。 ピンポ~ン 「あっピザですよっ!お願いします!」 そう告げると、和也さんを振り切って部屋に飛び込んだ。
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