◇◇ 第15章 ふたりの生活 ◇◇

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えっ!? 顔が、……近い! 和也さんが、色気たっぷりな眼差しであたしを見つめる。 その視線だけで、あたしは蕩けそうになる。 今夜がもしかして『初夜』なの?でも、結婚してからが本当の『初夜』?でも、一緒に過ごす初めての夜なら、とっくに過ぎたし。でも、でも、もしかして今夜!? あたしの頭はぐるぐると思考を巡らす。 そんなあたしを真剣な目で見つめていた和也さんが、噴き出して笑った。 「璃子、イヤらしい事考えてるだろ?」 「そっ!そんなこと、なっないです!」 あまりに図星でしどろもどろ。 バレバレじゃん! 「今夜は、襲わないから安心しろ。お父様とお母様の手前、一緒に住んだ初日に、なんて言ったら、あわせる顔もないしな」 そう言うと、和也さんは、軽くキスをして、戸締まりしてくるからと部屋を出た。 残されたあたしは、急なドキドキから解放されて、ため息をついた。
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