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えっ!?
顔が、……近い!
和也さんが、色気たっぷりな眼差しであたしを見つめる。
その視線だけで、あたしは蕩けそうになる。
今夜がもしかして『初夜』なの?でも、結婚してからが本当の『初夜』?でも、一緒に過ごす初めての夜なら、とっくに過ぎたし。でも、でも、もしかして今夜!?
あたしの頭はぐるぐると思考を巡らす。
そんなあたしを真剣な目で見つめていた和也さんが、噴き出して笑った。
「璃子、イヤらしい事考えてるだろ?」
「そっ!そんなこと、なっないです!」
あまりに図星でしどろもどろ。
バレバレじゃん!
「今夜は、襲わないから安心しろ。お父様とお母様の手前、一緒に住んだ初日に、なんて言ったら、あわせる顔もないしな」
そう言うと、和也さんは、軽くキスをして、戸締まりしてくるからと部屋を出た。
残されたあたしは、急なドキドキから解放されて、ため息をついた。
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