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翌日も、ゆったりとした朝を迎えた。
「おはよう。和也さん」
「おはよう。璃子」
そんな会話が普通になりはじめる。
朝のコーヒーを飲み、支度を整えると、あたしたちは車に乗り込んだ。
3日ぶりの外は陽射しが眩しくて。
ふたりを照らしているようで、とても恥ずかしかった。
あたしたちは、少し早めのランチの時間にお店に到着した。
車から降りると、和也さんが自然に、そっとあたしの手を握る。
微笑みを交わすあたしたちは、誰の目にも立派な恋人同士だった。
「ヒュ~ッ」と、口笛の音が聞こえ、振り向くと、そこには、更科さんが立っていた。
「いらっしゃい」
「更科」
「こんにちは更科さん」
「なんだかめちゃめちゃいい雰囲気なんだけど?」
ニヤニヤ笑う更科さんがあたしたちを見て冷やかした。
「あぁ、まぁな」
和也さんは、とてもうれしそうに笑顔を向ける。
「全然、前回のおふたりの空気とは違うんですけど?」
「あぁ。璃子のご両親に許可をもらって、一緒に暮らし始めたんだ」
和也さんは、相変わらず、恥ずかし気もなくサラリと告げる。
「なるほど、それで」
そう言いながら、更科さんは、お店の扉を開けて、「どうぞいらっしゃいませ」と、あたしたちを中へ招き入れた。
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