◇◇ 第15章 ふたりの生活 ◇◇

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あたしたちを、一番奥の個室に案内した更科さんは、あたしと和也さんの間に椅子を前後反対に置いて、股越して座ると、あたしたちを見比べた。 「っで、いつから暮らしてんの?」 「4日前から」 「ふ―ん。和也、イヤらしいな」 「なんだよそれ」 「別に、深い意味はない」 そう言うと更科さんは、今度はあたしに向かって話しかけた。 「っで、まだ食べられてないんだ?」 「えっ!?」 あたしは一瞬で頬を真っ赤に染めた。 「やっぱり」 更科さんは、勝ち誇ったように、ふふんと笑った。 「なっなんで?わかるんですか?」 あたしは気になって反対に質問した。 「ん―っ、空気? まぁ、今までの経験かな?」 「へぇ……」 「こら璃子、感心するなっ」 和也さんが、突っ込む。 急に真顔になった更科さんが、あたしに呟いた。 「璃子ちゃん。幸せにね」 更科さんの会話の緩急にドキリとしながらも、うれしくて、あたしはコクリと頷いた。
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