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ランチが始まるまでに少し時間があったので、あたしは更科さんに許可をもらって中庭に出た。
あたしは、まっすぐプロポーズされたシンボルツリーに歩いて行った。
そっと木に触れながら、話しかける。
『一緒に暮らし始めたの……幸せになってるよ』
そよぐ風に、サワサワとなびく木々の葉が、『よかったね』と声をかけたような気がした。
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部屋の中に残った俺に、更科が言った。
「和也、よかったな」
「あぁ」
「モテまくってたお前が初めて必死に掴まえた女だ。お前の人生に巻き込むんだから、命を懸けて大事にしろよ」
「あぁ」
更科に返事をしたあと、俺は立ち上がって中庭にいる璃子に視線を送った。
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