◇◇ 第15章 ふたりの生活 ◇◇

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ランチが始まるまでに少し時間があったので、あたしは更科さんに許可をもらって中庭に出た。 あたしは、まっすぐプロポーズされたシンボルツリーに歩いて行った。 そっと木に触れながら、話しかける。 『一緒に暮らし始めたの……幸せになってるよ』 そよぐ風に、サワサワとなびく木々の葉が、『よかったね』と声をかけたような気がした。 ********* 部屋の中に残った俺に、更科が言った。 「和也、よかったな」 「あぁ」 「モテまくってたお前が初めて必死に掴まえた女だ。お前の人生に巻き込むんだから、命を懸けて大事にしろよ」 「あぁ」 更科に返事をしたあと、俺は立ち上がって中庭にいる璃子に視線を送った。 ********
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