◇◇ 第15章 ふたりの生活 ◇◇

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足音に気づいて振り向くと、和也さんが中庭に歩いて出てきていた。 「璃子」 木の下にいるあたしの前に来た和也さんは、あたしを愛しそうに見つめ、微笑むと 何も言わずにあたしを抱き寄せ深いキスをした。 前回のプロポーズの時とは違う深いキス。 逞しい両腕に強く包まれ、動きも思考も制限されて奪われていく…… あたしは、抵抗せずにすべてを受け入れた。 風が木々の葉を揺らし、周りの雑踏をかき消す。 部屋の中からは、更科さんが微笑んで、そっとふたりを見守っていた。
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