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リビングの時計はちょうど12時を指していた。
「疲れただろ?ちょっと休憩しよう。お腹空いただろ?」
って、準備してくれていたサンドイッチを出してくれる。
いつ買ってきたんだろう?
本当に、なんて準備がいいんだろう。
本来なら、女であるあたしが配慮しておかなくてはいけない事を、
意とも簡単にサラリとされてしまう。
あたしは、なんだか居たたまれなくなった。
「すいません。何から何まで」
「いいんだよ。璃子の引っ越しだったんだから、疲れただろ?俺がフォローするのが当たり前」
いやいや、面倒なすべての事を全部あなたがしてくれましたよ。
あたし、返事してお掃除してただけです。
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
いつも以上に、にっこり微笑む和也さんに、
目が釘付けになった。
本当に優しい笑顔。
あたしが来たことをこんなに喜んでくれるなんて……
心臓が、トクンッ……って鳴った。
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