◇◇ 第15章 ふたりの生活 ◇◇

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リビングの時計はちょうど12時を指していた。 「疲れただろ?ちょっと休憩しよう。お腹空いただろ?」 って、準備してくれていたサンドイッチを出してくれる。 いつ買ってきたんだろう? 本当に、なんて準備がいいんだろう。 本来なら、女であるあたしが配慮しておかなくてはいけない事を、 意とも簡単にサラリとされてしまう。 あたしは、なんだか居たたまれなくなった。 「すいません。何から何まで」 「いいんだよ。璃子の引っ越しだったんだから、疲れただろ?俺がフォローするのが当たり前」 いやいや、面倒なすべての事を全部あなたがしてくれましたよ。 あたし、返事してお掃除してただけです。 「ありがとうございます」 「どういたしまして」 いつも以上に、にっこり微笑む和也さんに、 目が釘付けになった。 本当に優しい笑顔。 あたしが来たことをこんなに喜んでくれるなんて…… 心臓が、トクンッ……って鳴った。
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